ロイド・ジョージ自らその叔父《おじ》の事を語っていう

 ロイド・ジョージ自らその叔父《おじ》の事を語っていう。[#ここから1字下げ] My uncle never married. He set himself the task of educating the children of his sister as a sacred and supreme duty. To that duty he gave his time, his energy, and all his money.(私の叔父は一生結婚しなかった。彼は、彼の姉の子供を教育すという仕事をば、神聖かつ最高の義務として、これに一身をささげた。その義務に向かって、彼は彼の時と、彼の精力と、またすべての彼の金をささげた。)[#ここで字下げ終わり] げにロイド・ジョージにその家を与え、その衣食を給したる者は、彼の叔父であった。彼に聖書を読ましめ、天を畏《おそ》れ人を愛すべきことを教えたる者も、また彼の叔父であった。彼の叔父は、彼が小学校に通学するころには、日々その下読みと復習を手伝い、のち彼が弁護士を志して法律学の独習を始むるや、彼の叔父は、多少なりとも指導助力に役立たばやと思う一念より、寄る年波をも顧みず、おのれもまた始めて法律学の研究に志し、同じ燈火の下にその甥とともに苦学したものである。ロイド・ジョージは自らこう言うている。「貧乏な叔父と私とは長時間卓をともにして、時代遅れのフランス語の辞典や文典をやたらにひっくり返しながら、わずかに一語をつづり一文を属するを常とした。これがわれわれ両人の苦学法であった。」かくて螢雪《けいせつ》の功むなしからず、彼がわずかに二十一歳の青年をもって弁護士試験に及第するや、彼の叔父が骨身惜しまずかせぎためておいた数百ポンドの資金《かね》は、この時までに彼の学費のためすべて消費し尽くされ、現に彼はせっかく弁護士試験に及第しながら、法服新調の費用にさえ当惑したほどのありさまであった。まことにロイド・ジョージ自らの言えるがごとく、彼の叔父は、彼を教育するがために、彼の時と彼の精力と彼の金をばすべて費やし尽くしたのであった。 ロイド・ジョージ自らその少年時代の生活を顧みていう。[#ここから1字下げ]

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